『エンリッチメント』という言葉を聞いたことはありますか?
飼育初心者の方では、専門的な事はちょっと・・なんてしり込みしてしまいそうな言葉ですよね。
ですが、そんな難しい事ではありません。
ここでは、インコを飼育するうえで、実践したいエンリッチメントについて解説していきます。
まずは、エンリッチメントとは何か、そこを理解するところからはじめてみましょう。
インコの健康にとってエンリッチメントは必要
現在では、さまざまな動物がペットとして飼われていますが、発育障害や繁殖障害、異常行動など、何らかの障害が起こりやすくなっていることが確認されています。
その原因のひとつに、現在の飼育環境が野生での本来の環境と異なることがあります。
エンリッチメントとは、ペットとして飼っている動物に、野生種で見られるような行動様式を起こさせるということ。
つまり、快適な環境ではなく、不便な環境をある程度作ってあげるということです。
インコは不便な環境に置かれると、それを克服しようと工夫をします。
それがエンリッチメント。
その結果、インコが毎日を充実させ、いきいきと過ごすことができるという考えです。
たとえば、エサについていえば、野生では、エサを得ることは簡単ではありません。
樹皮をかじったり、花の密を探したり、虫をつかまえたり……。
いろいろな苦労や手間がかかりますが、ペットとして飼われいているインコは、飼い主さんがエサを毎日与えてくれます。
苦労せずにエサを得られるわけです。
楽である反面、インコにとっては退屈で、つまらないもの。
それがストレスになり、結果として問題行動を起こしたりすることにもなります。
エサの与え方に工夫する
野生とまったく同じにとまではいかなくても、ケージの中の環境を少しでも近づけてあげることは可能です。
たとえば、わざとエサを隠してインコに探させたり、おやつを紙にくるんでから与えたり……。
エサのあげ方にも工夫をしてみます。
インコはうれしそうに紙をびりびり破り、中のものを見つけようとするでしょう。
そして、苦労してエサやおやつが見つかったら、それ刺激になり、気持ちを豊かにさせることにつながるのです。
ケージ内の配置を変えたり、目新しいおもちゃを
ケージ内の止まり木やエサ入れなどの配置を換えるのもエンリッチメントに役立ちます。
おもちゃなら、目新しさを演出してあげましょう。
家の中にあるものでインコにとって危なくないものを探し、おもちゃとしてインコに与えてみるのです。
たとえば新聞紙や綿棒、割り箸などがおすすめ。
新聞紙やチラシなら、短冊状に細く切って(誤って飲み込んでしまわない大きさにすること)、クリップでとめ、ケージにとりつけると、インコは大喜びで遊ぶでしょう。
綿棒ならそのまま与えてみたり、折り曲げて与えたりと、アイデアで。
大型インコなら、古雑誌をケージに差し込んでかじらせてあげるのも有効です。
⇒インコの臭い対策!臭いの原因と消し方
⇒インコ用品説明と紹介